Pinterest の包摂性と多様性に関する取り組みに関する発表

I&D

Pinterest は創業以来、「あらゆる人が、自分らしく豊かな暮らしを創造するためのインスピレーションを得られるプラットフォーム」を目指してきました。このミッションを実現するには、多様性、公平性、包摂性に根ざした企業文化が求められます。 

今年、世界的なパンデミックの影響は私たちの暮らし方と働き方に変化を与えました。また、人種差別問題に対して正義を求める運動が世界中に広がりました。Pinterest は、こうした出来事に触発され重要な問題について対話し、自社の文化に意識を向けることの必要性を再認識しました。より一層、自分たちの経験について語る社員の声に耳を傾け、より正しい行動を起こすことに注力していきます。そして、Pinterest の文化とプロダクトを改善し、世界中の人にさらにたくさんのインスピレーションをもたらすために、一層の努力を重ねていきます。

Pinterest 社内における取り組み

社員の経験をより前向きなものに変えていくためのには、ジェンダーへの理解と人種の多様化が不可欠です。同時に、職場で包摂性を高めるための努力も継続する必要があります。現在も進行中の取り組みの中から、これまでのいくつかの進捗を紹介します。

職場の多様化I&D

2020 年末時点:

  • 世界の社員の 49% が女性(昨年の 47%、および 2015 年の 42% に比べて増加)
  • 経営幹部の 30% が女性*(2019 年の 25%、および 2015 年の 16% に比べて増加)
  • 世界のエンジニアの 29% が女性(昨年の 25%、および 2015 年の 19% に比べて増加)
  • 米国の社員の 12% が過小評価されている人種や民族出身**(昨年の 10%、および 2015 年の 3% に比べて増加)
  • 米国のエンジニアの 8% が過小評価されている人種や民族出身(昨年の 7%、および 2015 年の 1% 未満に比べて増加)

 

2020 年の新規採用:

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  • 新規採用された世界のエンジニアリング***人材の 36% が女性(2019 年の 27% に比べて増加)
  • 新規採用された米国のエンジニアリング以外の人材の 28% が過小評価されている人種や民族出身(2019 年の 14% に比べて増加)
  • 新規採用された米国のエンジニアリング人材の 10% が過小評価されている人種や民族出身(2019 年の 9% に比べて増加)

 

人種/ジェンダーの表象

進捗は持続しており、以下の活動を行っています。

  • 米国における求人の少なくとも 80% が多様な応募者を求めるアプローチで、女性および過小評価されている人種や民族が面接を受けられるよう徹底しています。
  • エンジニアリングからプロダクトチームまで、職業訓練プログラムを拡大しています。このプログラムは、過小評価されている人種と民族出身の求職者がテック業界に入る機会を増やします。
  • テック業界以外からの才能ある求職者を獲得できるよう、面接プロセスでスキルと能力を重視しています。

経営幹部の女性比率も向上しており、今後も比率を拡大できるよう尽力します。また、技術関連部門の多様化にも取り組んでいきます。 Pinterest プラットフォームのイノベーションは、プロダクトを作り出す Pinterest 社員の幅広いアイデンティティ、経験、視点から生まれます。Pinterest が以下のコミットメントを掲げる理由は、ここにあります。 

  • 2025 年までに、過小評価されている人種や民族出身の社員数を 20% に増加します。中でも、技術関連職と経営幹部に重点を置きます。
  • 2025 年までに、経営幹部の女性の人数を 20% 増加します。

アイデンティティは複雑に重なり合っており、限られた区分ではその複雑さを捉えることができません。世界 11 か国に社員を有する Pinterest は、当社で働く人々の構成がこうした複雑な全体像に近づくように努力し、社員が自分たちについて情報を発信できる機会を提供していきます。これには、男性か女性かの二択を超えた動き、アジア系の人々の多様性を理解するためのデータの細分化、可能な限り人口統計に世界的な視点を取り入れることなどが含まれます。
 

包摂的な文化

多様な人材の雇用は、機会の均等化の一部に過ぎません。包摂的な職場環境とは、さまざまな背景を持つ人々が機会、職業上の成長、成功を公平に実現できるようにすることを意味します。そのため Pinterest は昨年、改善が必要な 3 つの重要領域について検討しました。それは、同一価値労働同一賃金、社員の懸念に対して効果的に取り組んで問題を解決するプロセスの設計、すべての社員に包摂的な文化を作る上での自身の役割を理解してもらう教育プログラムの拡大です。

同一価値労働同一賃金  

Pinterest は米国において、性別と人種に関わらない同一価値労働同一賃金を達成しています。これは、同等の仕事に対して同じ賃金を支払っていることを意味します。昨年 1 年間にわたり、より透明性のある給与レンジと等級を導入し、社内プロセスの改善を続けてきました。人の動きが活発な職場で同一価値労働同一賃金を維持するには、細心の注意と継続的なモニタリングが求められます。この重要な取り組みを持続させるために、年に 2 回、給与の見直しと必要に応じた調整を行っています

オンブズプログラム 

Pinterest では、職場での対立を解決するための個別のサポートとして、社員全員に対し、トレーニングを受けた中立的な立場のプロフェッショナルに相談する機会を提供するオンブズプログラムを導入します。テック業界では珍しいこの種のプログラムを Pinterest ではいち早く取り入れます。

教育関連

拡大した Pinterest の教育プログラムには、異なるアイデンティティを持つ人々が世界と職場でどのような経験をしているかについての討論が追加されました。今後もプログラムの追加を継続し、マネージャーやリーダーの能力開発に包摂性と多様性のスキルや能力を組み込んでいきます。 

  • 包摂性入門:このワークショップでは、人々が特権的なアイデンティティと過小評価されたアイデンティティを同時に有している状態について討論を行います。また、一見して中立的でありながら不公平を含んでいる施策や行動についても検討します。現在までに、世界の社員の 85% 以上がこのコースを修了しました。
  • ハーバードシリーズ:ハーバード・ビジネス・スクールの教授 5 人が、リーダーシップ、包摂性、心理的な安全などの主題を扱う 8 シリーズコースの講義を行います。教授陣は Frances Frei 氏、Tom DeLong 氏、Tsedal Neeley 氏、Amy Edmondson 氏、Francesca Gino 氏です。世界で 800 人以上の社員が当シリーズに登録しました。

取締役の多様性

2020 年に、Gokul Rajaram、Salaam Coleman Smith、Andrea Wishom の 3 人が新たに取締役に加わりました。3 人の新役員は、価値ある経験、視点、専門知識をもたらしています。

Pinterest チェンジネットワーク

厳選された世界の Pinterest 社員たちからなる Pinterest チェンジネットワークを設立しました。チェンジネットワークは当社各部門の責任者と協力して、重要なイニシアチブと新しい企業ポリシーに関する意見を提示します。チェンジネットワークの献身的で影響力のある社員は変化を起こし、独創的でソリューションに基づいた視点を Pinterest の文化、包摂性、多様性に関連するイニシアチブにもたらす上でのロールモデルとなります。

社員リソースグループ

社内で「Pinterest コミュニティ」として知られる社員リソースグループは、会社が公認する社員主導のグループで、包摂的な文化の推進と、多様な意見の唱道で重要な役割を果たしています。Pinterest コミュニティはビジネスイニシアチブに貢献し、つながりと賞賛の場を作り上げました。困難な状況が続く今年は、さらなるサポートを提供し、外部の専門家によるさまざまなコーチングを提供してきました。外部の専門家は、Pinterest 社員のレジリエンスを向上させ、心身の健康とキャリア開発をサポートするための対話を促進しました。

Pinterest のプロダクト

もしも自分の属するコミュニティが無視されていると感じたら、ユーザーが Pinterest からインスピレーションを得ることはできないでしょう。それが、Pinterest のフィード、おすすめ、検索結果のコンテンツを多様化する機能を継続的に追加している理由です。

幅広いコミュニティを表すコンテンツ

当社は幅広い背景を持つショップオーナーやクリエイターと協力し、Pinterest 上のコンテンツが、世界のユーザーベースの多様性を表すものであるよう努めています。昨年、当社は Pinterest と提携しているクリエイターのうち、過小評価コミュニティ出身の人々が占める割合を 50% 以上にするという目標を定めました。この目標は達成され、ピックアップタブ、ショッピングスポットライト、Pinterest Shop などでこうしたコミュニティの人々の意見を広めており、さらに、クリエイター基金を通して経済的援助を提供しています。また、当社は Pinterest プラットフォームを活用して、文化に関わる重要な出来事を祝福し、当社の価値観を共有する団体を支援し、社会問題について学ぶコンテンツを提供しています。こうしたコンテンツには、8 週にわたり専門家がメンタルヘルスについてレクチャーする連載「Friday Feels」や、ピックアップタブで「#StopAsianHate」として紹介されるアジア人差別をなくすためのリソースなどが含まれます。

 

Pinterest のポリシー

Pinterest はヘイト的な言葉や誤まった情報をブロックする取り組みを続けてきました。その一例として、Pinterest 上で新型コロナワクチンに関する正しい情報が確実に見つかるようにする取り組みが挙げられます。2016 年以来、文化的に不適切なハロウィン用の仮装の広告を禁止しており、昨年は「死者の日の仮装」など特定のキーワードを検索すると、配慮を持ち文化を尊重しながらハロウィンを楽しむ情報を掲載したピンが検索結果のトップに表示されるよう機能をアップデートしました。今年の 4 月には、Pinterest がポジティブでインスピレーションにあふれる場を保てるようにするコンテンツポリシー「クリエイターコードを導入しました。

 

アルゴリズムとスキントーン選択

アイデアをレコメンドする検索エンジンとして、当社には Pinterest の原動力であるアルゴリズムとシステムから偏りを減らす責任があります。この目標を達成するために、Pinterest では AR および AI 技術に多様性のあるデータを取り入れています。こうした問題への注力は、さまざまな人種のユーザーが各自のニーズを反映させてビューティー関連検索の精度を高められる AR バーチャルトライスキントーン選択などの機能を開発してきた、当社の姿勢に示されています。Pinterest のデータセットは時間が経つとともに多様化し、ユーザーが検索をカスタマイズする助けとなっています。そして、当社のエンジニアリング、インクルーシブ・プロダクト、インクルージョン&ダイバーシティーの各チームの協力により、スキントーン機能は新たにフランス、イタリア、スペイン、ドイツ、スイス、オーストリア、オランダ、インド、インドネシア、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、コロンビアの 13 か国へ導入を拡大しています。

パートナーシップと外部提携団体 

慈善事業
昨年、Pinterest は Southern Poverty Law Center や Othering & Belonging Institute など人種正義や人種間の公平化に取り組む有力団体に 50 万ドルを寄付しました。また、合計 75 万ドルを有料メディアと非営利団体に支出しました。Pinterest 社員による寄付のマッチングプログラムは 25 万ドル以上を集め、寄付金は NAACP、CARE、Alliance to End Homelessness、Girls Who Code などの団体に贈られました。さらに、メンタルヘルスと健康問題に対する意識向上、および人種や他の要因による社会資源利用の格差への取り組みへ持続的な資金援助を行う社会影響戦略が、先日 Pinterest 取締役会で承認されました。

定義

*経営幹部には、L7 以上の等級の社員が含まれます。

**過小評価されている人種と民族とは、過小評価されたマイノリティなどとも呼ばれており、現在、黒人、ラテンアメリカ系、先住民族の人が含まれます。先住民族という用語には、アメリカ先住民族、アラスカ先住民族、ハワイ先住民族、太平洋諸島系の人が含まれます。人種と民族データは現在、米国を拠点とする社員のみのデータで構成されています。

***エンジニアリングには、エンジニアリング部門に勤務するフルタイムの社員が含まれます。ただし、役員付きアシスタントを除きます。

当社のミッションは、Pinterest プラットフォームと、Pinterest ユーザーが暮らすコミュニティで、あらゆる人に自分らしい暮らしを創り出すインスピレーションを提供することです。Pinterest が社会正義、公正、健康に注力する団体を経済的に援助し提携関係を結ぶ理由はここにあります。

包摂性諮問委員会
当社は、包摂性諮問委員会を設立しました。この独立した委員会は、影響力のある個人や団体の意見を集め、目標に対する進捗を評価して、企業イニシアチブに関する助言を提供します。現在、NAACP、元オバマ政権顧問、Values Partnerships Joshua Dubois 最高経営責任者、アジア系アメリカ人人権擁護団体AAJC/dev/color で構成される委員会は、新たな団体の参加を仰ぎ、拡大を続けていきます。/dev/color は、黒人のソフトウェアエンジニアのキャリア開発支援に注力しており、Pinterest との複数年の戦略的パートナーシップの一環として助言も行っています

コミュニティ再構築プログラム

2020 年 6 月、パンデミックがもたらした次元の異なる経済的影響を考慮し、Pinterest 社員は黒人オーナーのビジネスに焦点を当てたコミュニティ再生プログラムを立ち上げました。このプログラムは、スモールビジネスの収益とエンゲージメント向上をサポートするため、ライブトレーニング、広告クレジット、クリエイティブサービス、キャンペーン開始支援を提供するものです。プログラムは、黒人、アジア系、ラテンアメリカ系、障害を持つ人にサービスを提供する 22 の団体と企業の支援を行う規模に拡大しました。セールスチームは現在、さらに多くの企業が Pinterest をより良く活用できるようにするため、これまでに得た教訓のシステム化を進めています。